動物園は来園者が学び、憩う場であると共に、動物が快適に暮らし得る場でなければならず、人間と動物の双方にとって快適な環境をつくりだす必要がある。そのために植物は大きな役割を担っている。多くの野生動物は自然界では植物とともに暮らしており、植物なしに野生動物が生息することはできない。限られた敷地では植物との共存は困難であるといわれてきたが、近年、これを克服する技が生みだされるようになり、世界では動物園の展示に植物、土、水辺等の自然環境をとりいれることが主流になりつつある。
動物が暮す生息地の環境に近づけることは、動物にとっての快適な暮らしをもたらすだけではなく、観覧者にとってもいきいきとした動物の生活とその環境を知るために必要な取り組みである。また、樹木は緑陰を提供するなど、動物と観客の双方にとっての快適性をもたらす。動物園はまた、都市の中の貴重な緑地であり、植物が生育していることは、都市の環境としても求められることである。植物は来園者の心に響く美しい展示をつくりだす下支えとなる。 動物園ランドスケープの会は、動物園にこのような環境をつくりだすことをめざす集いである。動物園に緑、土、水辺をとりいれるための研鑚を行い、国内外の情報を共有し、その成果を広く世界に発信し、動物園を通じた自然との共生社会の実現に寄与することをめざしたい。関心のある方々の参加をお願いします。